人を惹きつける魅力とは

広島経済スタートライン 2011年7月号
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㈱オオサワ創研 代表取締役社長大澤仁志

「魅力ある人」に誰もがなりたいと思うのではないでしょうか。魅力という言葉の定義は人それぞれあると思いますが今回は、人に好かれ、人が集まる。組織では協力者が現れ成功していく。

そういう観点で考えてみたいと思います。人の協力なしに成功はできませんし、一人ぼっちでは幸せを感じることもできません。

そもそも魅力ある人とはどんな人でしょうか。周りに安心感を与える人。落ち着いていて人に道を示す人。

色々な人がいるでしょう。魅力がある人とは端的に言ってしまうと、「人に何かを与える事が出来る人。」では無いでしょうか。与えるといっても、物・お金・愛情・優しさ・安心感・認めてくれる・褒めてくれる・などいくらでもあります。

物やお金を満足するだけ与えてくれる人に対しては確かに魅力を感じるかもしれません。しかし、物やお金は「有形」のものです。有形のものは有限ですから、いつか底を突く可能性がありますし、限られた人にしかできません。優しさや助けてくれるなどは心の部分、「無形」のものです。無形のものは底なしに無限です。そして、だれもがすぐに人に与える事ができるものです。与えれば良いといっても、無形のもので本当に人は満足して魅力を感じてくれるでしょうか。

ご存知の方も多いでしょうが、司馬遼太郎の小説で有名な「項羽と劉邦」が組織の魅力についてうまく書かれています。

楚の項羽は名家で武芸に秀で、頭も切れる。漢の劉邦はいうなればただのゴロツキ上がり。能力で言えば項羽は劉邦よりもダントツに優れていました。なので劉邦は百戦して百敗したそうです。しかし結果は劉邦が逆転して天下を取ってしまうのです。項羽は能力がありすぎたため、周りの武将が皆、頼りなく見える。だから気に入らなければ首を切る。部下や民を統制するのは恐怖と恩賞です。

一方、劉邦は自分が頼りないことを知っているので、部下を褒めておだてて、頭を下げることができます。そして、とても優れた人物が集まってきます。その結果、劉邦が組織力を付けて勝利します。この内容は「三国志」や日本の「戦国時代」にも見事にあてはまっています。

では、現代ではどうでしょうか。文明が発達しても人の心の動きや感情はあまり変わってはいないのではないでしょうか。アメリカの心理学者、アブラハム・マズローの欲求段階説というものがあります。

それによると、
人の欲求は低い順に
①生理的(生存)欲求
②安全(安定)の欲求
③所属(社会とのつながり)と愛の欲求
④承認(尊敬)の欲求
⑤自己実現とあります。

①から順にある程度満たされると⑤に向かって段階的に欲求が湧くそうです。
今の日本では多くの方が③まで満たされています。なので次の段階の④承認(尊敬)を満たそうとしている人が多く、これは「人に認めてもらいたい」「自分が自立していること」を確認したい。

ということになります。この段階で人格がない人は、人にいばったり、優越感を得ようと自慢したりします。魅力ある人の定義が「人に何かを与える事が出来る人」と考えると、人を認めてあげる・存在に感謝する。つまり相手の「承認欲求を満たすことのできる人」と言い換えることが出来ます。もちろん、本人は相手の欲求を満たす前に、人格のある行動や考え方で自分の④承認欲求を満たしておく必要があるのは言うまでもありません。

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